植物学的に見たバラ

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1.葉 ― 
春になると芽が動き出し葉が展開します。通常バラの葉は、葉柄に小葉といわれる葉が5枚ついて本葉を構成します。このため本葉のことを五枚葉といいます。(原種やオールドローズは7枚、9枚のものもある)
葉柄の枝との接合部には托葉といわれる矢羽の形状をした葉がつき、この托葉に守られるように新しい芽があります。
蕾が見える頃になると、蕾のすぐ下には包葉や三枚葉が展開します。これら包葉、三枚葉から萼筒までの部分を花首(ステム)といいます。

2.刺 ― 
バラの特徴のひとつは刺です。バラは本来つる性のものが多く、ただし巻きつくほど枝が柔軟でないため、この刺を他の木や岩などに引っ掛け、太陽の光をより多く受けるため立ち上がります。幹の一部が永年の進化の過程で刺に変化したと考えられています。

3.花 ― 
バラの花は5枚の花弁の一重咲きが基本ですが、突然変異や交配によりオシベが花弁に変化し、半八重や八重咲きのより立派な花冠を形成するものが、今では大半を占めます。花の付け根のふっくらした部分は萼筒といわれ、メシベがここから伸び、受粉をするとこの部分が実(ローズヒップ)となって、中に5〜20粒ほどの種子ができます。

4.新梢(シュート)― 
春の一番花が終わると、バラは栄養成長に入り、状態が良いと太い枝の付け根の部分からシュートと呼ばれる新しい枝を盛んに出します。これが成長して古い枝と入れ替わり、2、3年花をつける主幹となります。