1)植物と肥料
植物の生育に欠かせない要素として、陽光、空気、水分、適切な温度、そして根の張れる土壌があげられます。これらは植物の種類によりその最適条件は異なります。

陽光や空気は、植物が体内に持つ葉緑素により、外気から取り込む二酸化炭素を利用し光合成を行い生育に必要なデンプン質を作り出すために必要です。(従ってほとんどの植物は日中二酸化炭素を呼吸し代わりに酸素を放出してこの光合成を行っていて、夜になると光がなく光合成ができないため、動物と同じように酸素を吸って二酸化炭素を放出しています。)

また適切な温度や光のあたる時間の長さ(日長時間)は、植物の発芽や生育、開花などの植物のライフサイクルにとって重要な働きをします。すなわち、植物は温度や光の変化を刺激として受けることで、発芽したり、枝葉を広げたり、花を咲かせたりします。

水分は主に植物の身体を作り支えているひとつひとつの細胞を維持するために必要です。だから水切れを起こし、細胞の水分がなくなると萎れてしまいます。いっぽう植物は常に葉から水分を水蒸気として放出しています。これを蒸散作用といいますが、それにより体内の圧が下がり、その結果として根から水分が浸透してくる仕組みになっており、このときに土中のさまざまな成分が水分とともに体内へ取り込まれるようになっています。

植物が生育していく上で必要な栄養素は光合成で得られるデンプン質のほかにチッソ、リン酸、カリウムの3大成分があります。これらは通常土中に含まれていますが、植物が生育していく過程で、これらを栄養素としてどんどん使うため、次第にこれらの成分が土中に欠乏してきます。従って植物を立派に育て、良い花を咲かせ、良い結実をさせようとするなら、適切なタイミングでの肥料を供給する必要があります。
とくにバラは「肥料食」いといわれるほどこれら肥料を必要とする植物です。

2)3大成分と微量要素
チッソは葉肥として、葉や枝茎の生育に大きな影響を与えます。
リン酸は花肥として、良い花を継続して咲かせるために必要です。
またカリウムは根肥として、丈夫で活き活きとした根を維持するため必要となります。
この他植物は動物と同じように鉄分やマグネシウム、カルシウムなどのいわゆる微量栄養素必要となりますが、これらは土中に含まれる量でほとんどカバーできますが、長い年月を経るうちこれらも欠乏することがありますので、それらを補給することが必要な場合もあります。
現在園芸店などで売られている肥料は3大成分がバランスよく混ぜ合わされた、いわゆる配合肥料で、容器やパッケージに、8-10-10とか10-10-10といった数字が表記されています。この数字はチッソ、リン酸、カリウムの配合比率を表しており、それぞれ植物のタイプや、時期に応じて使い分ける必要があります。

3)肥料のタイプ
肥料は形態や成分原料により概ね以下のように分けられます。
有機質肥料 
油粕や牛糞、鶏糞などで、これらは土中の微生物により分解され無機物に変化します。
そして無機物になってはじめて水に溶けて植物に吸収されます。従って少しずつ分解され吸収されるため、効きかたが穏やかで、長期にわたるため緩効性肥料ともいわれます。なお土中の微生物により分解が進みますので、暖かい時期と寒い時期、あるいは土壌環境によっても微生物の働きが活発になったり、ならなかったりしますので肥料が効いている時間が変化します。
無機質肥料
すでに純粋に精製された成分による肥料のため、直ぐに水に溶け吸収されるので、即効性肥料といわれます。水に溶けやすいため、量を間違えると逆に植物に大きなダメージを与えますので適量を守ることと、水はけの良い土壌では流失し易い。
これら、有機・無機質肥料はそれぞれ固形肥(粉状、粒状、固形状)、液肥等の形態で販売されているので、使用場所や時期などに合わせて選択します。

4)バラへの施肥
四季咲き性
12月〜1月 寒肥(元肥)
3月上旬 芽出し肥(追肥1)
4月上旬 花前肥(追肥2)
6月 お礼肥(追肥3)
8月下旬 夏の元肥(追肥4)
10月下旬 お礼肥(追肥5)

一季咲き性
12月〜1月 寒肥(元肥)
3月上旬 芽出し肥(追肥1)
4月上旬 花前肥(追肥2)
6月 お礼肥(追肥3)
9月〜11月 月1回くらい追肥